ピロリ菌を除菌して胃がんの予防を 東大阪生協病院での除菌療法
東大阪生協病院ではボノプラザン(商品名 タケキャブ)を使用した除菌療法を実施しています。
ピロリ菌の除菌療法(東大阪生協病院)
*一次除菌療法(VAC療法)
ボノプラザン(VPZ タケキャブ) | 40mg |
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アモキシシリン(AMPC パセトシン) | 1500mg |
クラリスロマイシン(CAM クラリス) | 400mg |
以上を1日量として1週間投与する(分2 朝夕食後)
*二次除菌療法(VAM療法)
ボノプラザン(VPZ タケキャブ) | 40mg |
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アモキシシリン(AMPC パセトシン) | 1500mg |
メトロニダゾール(MNZ フラジール) | 500mg |
以上を1日量として1週間投与する(分2 朝夕食後)
H.Pylori感染診断、除菌判定は便ピロリ抗原検査、迅速ウレアーゼ試験を主に行っている(一部、尿素呼気試験を実施)
基本的にまず一次除菌療法を実施、不成功の場合二次除菌療法を行う
それでも不成功の場合は三次除菌療法を検討する(ただし保険適応なし)
除菌療法成績(2015年9月〜2016年11月)
一次除菌療法
対象者 194名(男性 89名 女性 105名) 22歳〜81歳平均年齢 58.5歳
症例別
胃潰瘍 | 11名 |
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十二指腸潰瘍 | 23名 |
慢性胃炎 | 160名 |
除菌判定
183名に除菌判定を行った
除菌 成功 168名 不成功 15名 未判定 10名 中止 1名(発疹のため)
一次除菌成功率 91.8% (168/183)
二次除菌療法
15人に二次除菌療法を行い14人にH.pylori陰性を確認した。
二次除菌成功率 93.3% (14/15)
最終的に99.5%の患者(182/183)でH.pylori除菌が可能であった
副作用
一次除菌療法での副作用は発疹が4名(2.1% うち1名が治療中止)、下痢が1名(整腸剤使用 0.5%)。いずれもアレルギー歴なし。発疹のうち2名は治療終了後に発現。
三次除菌療法(保険適応なし)
現在下記の投与法を行っています
ボノプラザン(VPZ タケキャブ) | 40mg |
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アモキシシリン(AMPC パセトシン) | 1500mg |
シタフロキサシン(STFX グレースビット) | 100mg |
以上を1日量として1週間投与する(分2 朝夕食後
症例は少ないが5名に実施しうち4名で除菌を確認している
三次除菌成功率 80.0%
除菌後の経過観察の必要性
ピロリ菌を除菌することで胃がん発生の可能性は減少しますがゼロにはなりません。とくに胃の粘膜の異種が高度の場合は除菌後も定期的な内視鏡検査が望ましいと思われます。
*三次除菌療法は保険適応ではなく自費診療となります。また除菌療法の実施にあたっては内視鏡検査が必要ですが、それを行わない場合は自費診療となります。
その他ペニシリンアレルギーのある場合なども除菌治療は可能ですのでお問い合わせください。
(日本ヘリコバクター学会認定医 東大阪生協病院消化器内科 藤田昌明)