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医療の質 QI推進活動報告2017年

公開指標一覧(クリックで各項目に移動します)

#1 安全管理
#2全身ケア(栄養管理・褥瘡)
#3 感染管理
#4 認知機能評価
#5 チーム医療・退院支援・地域連携
#6 がん検診
#7 患者満足

#1 安全管理

① 転倒・転落発生率(民医連指標8)

【指標の意義】

転倒・転落を予防し、外傷を軽減するための指標、とくに治療が必要な患者を把握する

指標として3項目

A 入院患者の転倒・転落発生率
B 治療を必要とする転倒・転落発生率
C 損傷レベル4以上の転倒・転落発生率 (分子 それぞれの件数 分母 入院患者延べ数)

【2017年当院数値】

A  転倒・転落発生率 6.06‰(件数241 2016年 4.93‰ 171件)

B 治療を必要とする転倒・転落発生率 0.28‰(件数10 2016年 0.14‰ 5件)

C 損傷レベル4以上の転倒・転落発生率 0.14‰(件数5 2016年 0.06‰ 2件)

(民医連中央値 A 4.53‰ B 0.32‰ C 0.03‰)

【考察】

転倒転落発生率、損傷レベル4以上の発生率が前年より増加し民医連中央値も上回った。

2017年度から転倒転落委員会が発足し定期ラウンドの実施、対策案の提起などが開始された。転倒リスクを評価し環境設定を適切に行うこと、転倒した際の障害発生などを最小限に抑えることのできる対策を行うこと、多職種でのアプローチ、患者や家族を巻き込んでの対策の実施を検討していきたい
https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_08.pdf

② 病棟における薬剤関連事故発生率(民医連指標9)

【指標の意義】

薬剤安全管理者・薬剤師の病棟での役割のアウトカムとしての指標

【2017年当院数値】

薬剤関連事故発生率 0.19% (66/35285) 2016年 0.42% 民医連中央値 0.29%

分子 薬剤ないし注射投与間違い(病棟のみ レベル1以上)

分母 入院患者延べ数)

【考察】

報告の分析を行ったがレベル2以上が7件であったが重篤なアクシデントはなかった。レベル0,外来からの報告をふくめた薬剤関連の報告は123件、インシデントレポートの総数は417件であり29.5%が薬剤関連であった。

指標は前年と比較して半減したが、病院全体のインシデントレポートの報告数が減っておりこれの分析と改善が必要である。ひきつづきインシデントが発生した場合の速やかな報告と分析、現場へのフィードバックを行うこと、ハイリスク薬に関しての学習、注意喚起等を行っていきたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_09.pdf

#2 全身ケア(栄養管理・褥瘡)

①65歳以上低栄養の改善率(民医連指標6)

【指標の意義】

血清アルブミン値を使用し病棟での栄養改善のとり組みの指標とする

【2017年当院数値】

低栄養の改善率 55.56%(40/72) 2016年 48.08% 民医連中央値 26.89%

分子 分母のうち退院時にアルブミン値が3.0以上となった患者

分母 入院時のアルブミン値が3.0未満の患者 65歳以上、入院が14日以上、死亡退院、肝硬変、ネフローゼを除く

【考察】

民医連中央値を大きく上回り民医連病院全体で全国2番目であり、前年数値からも上昇した。

現時点での東大阪生協病院の栄養管理に関する指標となるが、さらにその向上に向けて取り組んでいきたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_06.pdf

② 褥瘡新規発生率(民医連指標7)

【指標の意義】

褥瘡予防は提供される医療の重要な項目であり、栄養管理、ケアの質評価に関わる

【2017年当院数値】

褥瘡新規発生率 A)d1発生率 0.08%(発生数 2) B)d2以上発生率 0.81%(発生数 19)(2016年 d1発生率 0.13% d2発生率 0.61% 民医連中央値 d1発生率 0.30% d2発生率 0.93%)

分子 入院後に新規に発生した褥瘡の数

分母 新入院患者と前月最終日在院患者の合計

【考察】

他施設の褥瘡発生率は低く褥瘡対策に関しては一定の評価はできる。重度の褥瘡の持ち込み患者も多くその対応を行っているが、ひきつづき入院時からのアセスメントを行い褥瘡の発生、悪化のリスクに気付き、褥瘡対策チームで早期介入することで予防や早期処置による治癒率の向上をめざしていきたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_07.pdf

③ NST回診率

【指標の意義】

当院はNST稼動認定施設であり毎週NST回診を実施しているが、回診患者の病棟入院患者に占める割合を独自指標とした

【2017年当院数値】

NST回診患者率 6.8%(160/2355 (2016年 9.3%)

分子 NST回診患者延べ数

分母 新入院患者と前月最終日在院患者の合計

【考察】

東大阪生協病院の入院患者のうち6.8%にNSTが関与していることになる。病院全体の栄養改善の指標にも一定関与していると思われる。前年と比較してNST対象患者数が減っており、対象患者の抽出方法や病院全体の栄養改善に関するとり組みの見直しは必要と思われる。

#3 感染管理

① 注射針及びそれに準じる鋭利な器具による皮膚の損傷からの血液曝露例件数(民医連指標12)

【指標の意義】

他施設の状況を知り比較することで職員のリスク意識を高め安全管理をすすめる。

【2017年当院数値】

4件(指標として0.33%) 2016年 8件(0.66%) 民医連中央値 0.42%

【考察】

前年と比較して半減した。インスリン自己注射後の針処理時や安全装置の操作不十分での曝露ケースがある。ひきつづき学習なども行い職員のリスク意識を高め安全管理をすすめたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_12.pdf

② 中心静脈カテーテル感染率(民医連指標13)

【指標の意義】

血流感染は重篤な転帰となることも多くマキシマムプリコーションが一般的に推奨されている。視標は院内感染対策の充実度、とくに刺入部のケアや一般的な清潔操作の遵守を反映する

【2017年当院数値】

感染率 0.00‰ (2016年 0.49‰ 民医連中央値 2.11‰)

分子 中心静脈カテーテル関連患者数

分母 中心静脈カテーテル留置延べ日数

【考察】

2015年は0.52‰、2016年は0.49‰であったが2017年の発生率は0であった。

以前と比較して感染率は低下しており、マキシマムプリコーションの実施、維持管理などが行えていると評価できる。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_13.pdf

③ 総黄色ブドウ球菌検出者のうちのMRSA検出率(民医連指標14)

【指標の意義】

黄色ブドウ球菌は皮膚に常在する場合が有り、単純にMRSAの検出患者数をモニターした場合は、結果が検査数に影響を受けるため総ブドウ球菌数を分母とすることで標準化する。

【2017年当院数値】

MRSA比率 47.28% (2016年 58.46% 民医連中央値 57.89%)

分子 MRSA検出患者数

分母 黄色ブドウ球菌検出入院患者数

【考察】

前年と比較してMRSA比率は減少した。厚労省は2020年にMRSA比率を20%以下にすることを目標としており抗菌薬の適正使用など今後も検討が必要である。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_14.pdf

④ アルコール手洗い使用割合(民医連指標15)

【指標の意義】

感染対策の基本である手指衛生を遵守する目安である。

【2017年当院数値】

使用割合 4.73ml/人 (2016年 4.70ml/人 民医連中央値 5.73ml/人)

分子 使用量 ml

分母 のべ入院患者数

【考察】

民医連中央値には届かなかったが、2015年が3.82、2016年が4.67であり年々上昇している。現在当院ではアルコール手洗い洗剤使用の使用目標を5000ml/月としているが2017年は4637mlであった。ICTを中心にした手洗いラウンドを実施しているがひきつづき職員への学習もふくめ活動をすすめていきたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_15.pdf

⑤ 血液培養ボトルが2セット提出された患者割合

【指標の意義】

血液培養の2セット採取は原因菌の同定を行う上で重要であり独自指標として設定している。

【2017年当院数値】

2セット提出患者割合 94.6%(207/216) (2016年 94.6%)

分子 血液培養2セット提出のべ患者数

分母 血液培養を実施したのべ患者数

【考察】

当院での血液培養2セット提出はほぼ定着している。血液培養実施数は、2014年 146 2015年 182 2016年 224 2017年 216となっている。

⑥ 血液培養での表皮ブドウ球菌コンタミネーション率

【指標の意義】

血液培養の際に皮膚常在菌の混入を防止し適切な採取ができているかを見るために独自指標を設定した。

【2017年当院数値】

コンタミ率 1.9%(4/207) (2016年 1.4%)

分子 コンタミネーションのべ患者数

分母 血液培養2セット実施患者数

【考察】

2016年は1.4%であった。一般的にはコンタミネーション率は3%以下が望ましいとされている。血液培養実施の手技などがこの間統一されていることなどの反映と考える。

#4 認知機能評価

① 高齢者への認知機能スクリーニングの実施(民医連指標42)

【指標の意義】

認知機能を適切に評価することで過剰な治療や人権侵害を防ぎ適切な対応を可能にすること。

【2017年当院数値】

44.26% (2016年 35.74% 民医連中央値 21.49%)

分子 HDS-R、MMSEなどが実施され記録の残っている患者

分母 65歳以上退院患者数

【考察】

前年と比較して一般病棟、回リハ病棟ともに実施率は上昇し民医連中央値を上回っていた。今後とも認知機能評価が必要な入院患者に対して適切な評価を行っていきたい。

#5 チーム医療・退院支援・地域連携

① ケアカンファレンス実施率(民医連指標24)

【指標の意義】

カンファレンス記録を実施しチームでの情報共有が促進されプロセス・アウトカムを評価することが可能とすること

【2017年当院数値】

47.33% (2016年 44.06% 民医連中央値 52.21%)

分子 入院期間中に1回以上、医師、看護師、コ・メディカルによるカンファレンスをした患者数 分母 退院患者数

【考察】

民医連中央値よりは低かったが2016年よりは増加した。ケアカンファレンスを実施すること、それを記録することの意識付けができてきており、さらに数値の向上に向けて取り組みをすすめたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_24.pdf

② 在宅療養カンファレンス割合(民医連指標55)

【指標の意義】

地域における医療と介護の連携を促進し在宅療養を希望する患者・家族のニーズに応えるプロセスの評価である。

【2017年当院数値】

62.45% (2016年 61.17% 民医連中央値 11.90%)

分子 入院中に多施設の担当者を交えて検討した患者数

分母 在院日数7日以上の退院患者

【考察】

前年より増加し民医連病院66病院中2位であった。回復期リハ病棟を中心に在宅復帰に注力してきたが、地域包括ケア病床への一部転換、地域連携室の強化などもあり数値を押し上げた可能性がある。ひきつづき在宅療養整備に向けた多職種連携を進めていくこと、入院早期での家屋評価の実施の検討などを行っていきたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_55.pdf

#6 がん検診

東大阪生協病院は組合員などを対象にした検診などを精力的に行っている。2016年度の東大阪生協病院のがん検診が東大阪市のがん検診に占める割合は、胃がん検診 33.4%、大腸がん検診 30.7%、乳がん検診 20.2%、肺がん検診 31.9%、子宮がん検診 13.7%である。

① 胃がん検診後の胃がん発見率

【2017年当院数値】

胃がん発見率 0.044%(胃がん検診 6852 胃がん 3 2016年 0.072%)

他院で精査を実施した件数は含んでいない。胃がん検診(胃透視検査)は6852人、そのうち要精査と判定したのが229人(要精査率3.34%)2016年は0.072%(胃がん検診 6905 胃がん 5)であった。平成26年度消化器がん検診全国集計の胃がん発見率は0.075%である。

【考察】

2018年1月から内視鏡検診が実施されているが、ひきつづき精度管理に努め胃がん発見数の増加をめざしていきたい。ひきつづきピロリ菌感染の有無に留意した読影を行い、除菌療法、胃がん予防につなげていく。

② 大腸がん検診後の大腸がん発見率

【2017年当院数値】

大腸がん発見率 0.114%(大腸がん検診 7910 大腸がん 9 2016年 0.131%)

他院で精査を実施した件数は含んでいない。大腸がん検診は7910人、そのうち要精査が502人(要精査率 6.35%)。2016年は0.131%(大腸がん検診 8409 大腸がん 11)であった。平成26年度消化器がん検診全国集計の大腸がん発見率は0.131%である。

【考察】

2017年10月より大腸CT検査を開始した。ひきつづき検診精度の向上とともに当院での精査実施率をあげていくとり組みを検討したい。

③ 乳がん検診後の乳がん発見率

【2017年当院数値】

乳がん発見率 0.11%(乳がん検診 3412 乳がん 4 2016年 0.09%)

乳がん検診は3412人、そのうち要精査と判定したのが116人(要精査率 3.40%)、そのうち乳がんと診断されたのは4人であった。2016年は0.09%(乳がん検診3509 乳がん3 2015年は0.31%(乳がん検診3562 乳がん11)である。

【考察】

乳がん検診後の精査は周辺の医療機関に依頼することが主であり、把握できていない件数がある可能性はある。ひきつづきがん検診に伴う精度管理などに留意して行っていきたい。

#7 患者満足

① 患者満足度アンケート総合評価で「満足している」と応えた患者の割合(民医連指標60)

医療福祉生協連が毎年実施している患者アンケートを用いて集計した。

【2017年当院数値】

外来 91.2%(313/343) 2016年 95.9%

入院 92.8%(26/28) 2016年 100%

【考察】

外来での満足度は前年より4.7%減少した。「受付や会計係には声をかけやすく、聞きやすかった」「職員の言葉遣い、服務態度は良かった」「医師の診断や治療は納得できるものであった」などでの減少が有り接遇面での評価が低いと考えられる。入院に関しては前年と同じく母数が少なく評価はむずかしい。

ひきつづき患者満足度の向上にむけて組合員・利用者の意見もとりいれながら職員一同取り組みたい。

https://www.min-iren.gr.jp/hokoku/data/hokoku_h28/houkoku_h28_60.pdf

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