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医療の質 QI推進活動報告2021年

#1 安全管理

① 転倒・転落発生率(民医連指標8)

指標の意義

転倒・転落を予防し、外相を軽減するための指標。

特に治療が必要な患者を把握していく。

転倒・転落をお帽子、発生時の損傷を軽減する。

指標として3項目

分子A 報告のあった入院患者の転倒・転落件数
分子B 入院中の患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落件数
分母  入院患者延べ数

2021年当院数値

A 報告のあった入院患者の転倒・転落件数 163件
 入院患者の転倒・転落発生率 0.47%

B入院中の患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落件数 0件
 入院患者での転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率 0%
(民医連中央値 0.1%) 2020年 0.88%(2020年民医連中央値 0.10%)

考察

・夜間・早朝の転倒発生が増加傾向

・入院当初より患者の日常生活自立度や認知症度の把握を行い、環境設定を行っているが、ADLの改善に伴い定期的に環境設定を見直す必要がある。

・転倒リスクのある患者には早期センサー設置を行い対応しているが、センサーの数に限りがあり、すべての患者に対応が困難。

・転倒転落委員による定期ラウンドの実施と対策案の提起。

② 病棟における薬剤関連事故発生率(民医連指標7)

指標の意義

薬剤安全管理者・薬剤師の病棟での役割のアウトカムとしての指標

2021年当院数値

薬剤関連事故発生率 0.13%(民医連中央値 0.35%) 2020年 0.12%(2020年民医連中央値 0.32%)
分子 薬剤投与違い、注射間違い(病棟のみレベル1以上)
分母 入院患者延べ数

考察

・レベル2以上は全体で1件、3以上は無し

・2階病棟:16件(昨年34件) 3階病棟:28件(昨年26件)と 2階病棟からの報告数は減少

・外来でのワクチン接種に関わるインシデント、病棟でのインスリン指示量の確認漏れなど今年も同じような報告があります。

 インシデントレポートの職場などでの検討が必要です。

① 65歳以上低栄養の改善率(独自指標)

指標の意義

血清アルブミン値を使用し病棟での栄養改善のとり組みの指標とする

2021年当院数値

低栄養の改善率 43.48%  2020年 38.20%
分子 退院直近の血清アルブミン値が3.0g/dl以上になった患者数
分母 当該月の65歳以上退院患者のうち入院3日までの血清アルブミン値が3.0g/dl未満の患者数
   2回以上アルブミン検査を実施している患者数

考察
  1. 生協病院の栄養改善に向けての多職種によるとりくみの評価:指標は前年より上昇
  2. 指標の分母が過去最高となった。低栄養の入院患者(在宅・施設管理、超高齢者、がん患者など)が増えているものと思われる。
  3. アルブミン値が増加した患者割合は前年より低下しました。(10人のうち7人がアルブミン値が増加≒一定、栄養状態は改善した)
  4. 今後とも低栄養、サルコペニアなどの入院患者の増加傾向は続く可能性があります。引き続き栄養改善を目標とした多職種(医師、看護師、管理栄養士、リハビリセラピスト、薬剤師など)による取り組みが必要です。

② 褥瘡新規発生率(民医連指標5)

指標の意義

・褥瘡予防対策は、提供されるべき医療の重要な項目であり、栄養管理、ケアの質評価に関わる指標

・褥瘡アセスメント、予防アプローチの組織化の促進をみる指標

2021年当院数値

2021年 0.03% 民医連中央値 0.08%(2020年 0.04% 民医連民医連中央値 0.08%)
分子 B)d2(真皮までの損傷)以上の院内新規褥瘡発生患者数
分母 入院患者延べ数

考察
  1. 他施設の褥瘡発生率と比較しても当院発生率は低い  褥瘡対策に関し一定の評価ができる
  2. 褥瘡発生率は昨年と比較して低くなっている

#3 感染管理

① 注射針及びそれに準じる鋭利な器具による皮膚の損傷からの血液曝露事例(民医連指標10)

指標の意義

他施設の状況を知り比較することで職員のリスク意識を高め安全管理をすすめる

2021年当院数値

件数 7件(割合 0.21%)(民医連中央値 0.11%)  2020年 1件 0.03%(2020年民医連中央値 0.09%)

考察

2021年は7件と大幅に増加した。7件中5件は手袋着用無しであった。

手袋着用は注射針に付着した血液の約50%以上が手袋に拭い去られるため、血液暴露量を減らせることが明らかになっている。

また、安全装置もあるが、完全作動しなかった事例が4件中3件であった。経験年数10年以上が6名とベテランも多い。

2017年以降のデータ22件からも経験年数10年以上が6割以上、手袋着用無しが約6割でうち7割が経験年数10年以上だった。

また同じ人がリピートしている事例もあり。定期的に学習会を開催、またニュース等を発行し安全管理に努める。

② 中心ライン関連血流感染発生率(民医連指標11)

指標の意義

血流感染は重篤な転帰となることも多くマキシマムプリコーションが一般的に推奨されている

感染予防手技の徹底だけでなく、栄養状態の改善、栄養摂取方法の選択、他感染症の治療の適切性、コンタミネーションの鑑別・防止含めて統合的な質が求められる。留置日数が長くなればリスクも高い。


指標は院内感染対策の充実度、特に刺入部のケアや一般的な清潔操作の遵守を反映する

2021年当院数値

発生率 4.79%(民医連中央値 2.11%)  2020年 2.32%(2020年民医連中央値 2.29%)
分子 当月の中心ライン関連血感染件数
分母 当院患者の中心ライン留置延べ日数

考察

カテーテル留置数は前年とほぼ変わらず、感染者数は前年の倍となっている。

2020年より定義変更があり、血液培養陰性または未採決でも医師が敗血症と診断し治療開始していればカウントすることとなったが、当院では2021年からカウントしており前年と単純比較できず今回は参考となる。

2021年4件の内 留置場所は鼠径部3件(頸部留置困難) 頸部1件 留置日数は10~30日

③ 総黄色ブドウ球菌検出者のうちのMRSA比率(民医連指標12)

指標の意義

黄色ブドウ球菌は皮膚に常在する場合が有り、単純にMRSAの検出患者数をモニターした場合は、結果が検査数に影響を受けるため、総ブドウ球菌数を分母とすることで標準化する

2021年当院数値

MRSA比率 70.18%(民医連中央値 56.52%)  2020年 64.46%(2020年民医連中央値 58.11%)
分子 期間内のMRSA検出入院患者数
分母 期間内の黄色ブドウ球菌検出入院患者数

考察

70.18%と前年より高くなっており、民医連中央値と比較しても高い。

昨年の院内発生数は13件  持込は12件だった。

MRSA院内発生率は2019年0.69%  2020年0.85%  2021年0.54%と昨年より低下しているが、検査総数も減少しているため評価困難。

④ アルコール手洗い使用割合(民医連指標13)

指標の意義

感染対策の基本である手指衛生を遵守する目安とする

2021年当院数値

擦式アルコール使用割合(ml/月)=払い出し量/延べ入院患者数(月)

2021年 使用割合6.43% (2021年民医連中央値 10.42%)

考察

2021年の使用割合は6.43でした。

2020年の4.66と比較すると138%の上昇と大きく伸びています。

一方、民医連の中央値は10.42とかなり高く、当院は民医連中央値に対して62%と大きく差があります。

コロナ病棟の有無など病院機能により使用状況が異なるため単純比較はできません。

今後は毎月アルコール使用割合をICTニュースで見える化し、手指衛星の向上に繋げます。

#4 認知機能評価

高齢者への認知機能スクリーニングの実施(民医連指標42)

指標の意義

認知機能を適切に評価することで過剰な治療や人権侵害を防ぎ適切な対応を可能にすること

2021年当院数値

割合 52.92%(民医連中央値 31.87%)  2020年 47.14%(2020年民医連中央値 31.85%)
分子 HDS-R、MMSE、CGA等の認知機能スクリーニングが実施された結果が記載されている患者
分母 入院日数が4日以上で65歳以上退院患者数

 

#5 チーム医療・退院支援・地域連携

① ケアカンファレンス実施割合(民医連指標23)

指標の意義

カンファレンス記録を実施しチームでの情報共有が促進され、プロセス・アウトカムを評価することが可能とすること

2021年当院数値

割合 72.99%(民医連中央値 55.55%)  2020年 47.73%(2020年民医連中央値 55.20%)
分子 入院期間中に1回以上、医師・看護師・コメディカルによるカンファレンス記録のある患者
分母 退院患者数

考察

・民医連中央値より上昇 引き続き記載率は良い カンファレンス記録を書く習慣が継続出来ている

・カンファレンス増加傾向

・施設転院増加

・初回カンファレンスの定着

② 在宅療養カンファレンス割合(民医連指標53)

指標の意義

地域における医療と介護の連携を促進し、在宅療養を希望する患者・家族のニーズに応えるプロセスの評価

2021年当院数値

割合 80.54%民医連中央値 8.87%)  2020年 86.54%(2020年民医連中央値 10.14%)
分子 入院中に退院に向けて退院後の在宅療養を担う事業所の担当者を交えて検討を行った患者数
分母 在院日数7日以上の患者数

考察

2018年から民医連比較 連続1位

継続課題:在宅復帰へのこだわり継続  入院判定の工夫(急変の増加)  内容充実した初回カンファの開催

#6 がん検診

東大阪生協病院は組合員などを対象にした検診などを精力的に行っている。2017年度の東大阪生協病院のがん検診が東大阪市のがん検診に占める割合は、胃がん検診 33.8%、大腸がん検診 30.1%、乳がん検診 21.8%、肺がん検診 31.5%、子宮がん検診 14.1%である。

① 胃がん検診後の胃がん発見率

2018年1月から東大阪市の内視鏡検診が開始された。

2021年当院数値
胃透視検診後の胃がん発見率

0.086%(胃がん検診 4625件 胃がん 2件 2020年 1件 0.021%)
他院で精査を実施した件数は含んでいない。2017年度消化器がん検診全国集計の胃がん発見率は0.072%である。

内視鏡検診後の胃がん発見率

0.361% 胃がん発見数 4件(うち早期胃がん3件)  内視鏡検診数 1107件
2018年度内視鏡検診全国集計の胃がん発見率は0.166%である。

考察
  1. 内視鏡検診、胃透視検診によるがん発見率は、いずれも全国平均値を上回った。
  2. コロナ禍で検診受診者の減少傾向にあるが、内視鏡検診受診者は前年よりも大きく増加している。今後も増加すると思われる。
  3. ピロリ除菌既往の割合は前年増加しているが除菌後での胃がん発見はあり、定期的な検査が必要である(除菌後2~11年で発見)
  4. 胃透視検診は、ピロリ感染ないし既往感染の描出に有効である。がん検診であると同時に「ピロリ描出検診」として位置づけ、内視鏡検査に結び付ける(⇒胃がんの予防につなげる)ことが必要と思われる。

② 大腸がん検診後の大腸がん発見率

2021年当院数値

大腸がん発見率 0.154%(大腸がん検診 8428件 大腸がん 13件  2020年 0.103%)
他院で精査を実施した件数は含んでいない。検診の要精査率は%。2017年度消化器がん検診全国集計の大腸がん発見率は0.128%である。

 

③ 乳がん検診後の乳がん発見率

2021年当院数値

乳がん発見率 0.45%(乳がん検診:3103件 乳がん:14件   2020年 0.32%)
乳がん検診は人、そのうち要精査と判定したのが人(要精査率 3.96%)。
国立がん検診センターによる乳がん発見率 0.33%(2017年)

考察

乳がん発見率は2020年度より0.13%増加しています。要精査率も0.15%増えています。

乳がんであった方の年齢  40歳代:4人  50歳代:4人  60歳代:2人  70歳代:4人

④子宮がん検診後の子宮がん発見率

2021年当院数値

子宮がん発見率 0.041%(子宮がん検診:2615件 子宮がん:1件   2020年 0.041%)
国立がん検診センターによる子宮がん発見率 0.04%(2017年)

考察

子宮がん発見率、要精査率ともに2020年度と同様でした。

#7 患者満足

① 患者満足度アンケート総合評価で「満足している」と応えた患者の割合(民医連指標59、60)

医療福祉生協連が毎年実施している患者アンケートを用いて集計した。

2021年当院数値

外来 94.2%(264/280) 2020年 94%
入院 92%(23/25) 2020年 91.4%

考察

今回の調査では昨年よりもアンケート数は少ないものの内容は全体として良いものとなっている。今後も接遇改善含め改善を行い かかりやすい医療機関として質の向上につなげていきましょう。

結果

【外来】

「全体として利用しやすかった」との評価が上がっている。特に上がった項目(前年比0.5ポイント以上あがったもの)は以下の通り

・医師にはわからないことを聞きやすかった

・職員の説明で病気、検査、薬のことは十分理解できた

・医師の診断や治療は納得いくものだった

・支払った金額の内訳はわかりやすかった

・全体として利用しやすかった

・この病院・診療所を知り合いに紹介したいと思う

【入院】

アンケートが少ないが、以下の割合が増えた。

・医師にはわからないことをききやすかった

・職員の言葉遣いや服務態度はよかった

・退院時に支払うおおよその費用は事前に知らされていた

 

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