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内視鏡

内視鏡検査は上部消化管年間1400 件、下部消化管年間900 件(ポリペクトミー年間200 件)を行っています。

胃カメラ検査については経鼻内視鏡スコープを使用しており苦痛の少ない「楽な」内視鏡検査を目指しています。大腸ファイバー検査についても細径電子スコープを使用し検査時の苦痛の軽減・検査時間の短縮に努めています。

内視鏡的胃瘻造設術(PEG)にも経鼻内視鏡を用いておりセルジンガー法で安全に施行しています。

経鼻内視鏡検査の案内

東大阪生協病院では経鼻内視鏡検査を行っています。経口内視鏡検査と比較して吐き気も少なくより楽な検査方法です。
当院では、FUJIFILM製の5.9mm径のスコープを使用しています(鉛筆よりも細い)。

経鼻内視鏡検査の特徴は

経鼻内視鏡検査は以下のような特徴(とくに経口検査と比較して)があります

  • 吐き気が少ない舌根にあたらないので吐き気が起こりにくい
  • からだにやさしい検査中の酸素飽和度や心拍数、血圧などへの影響が少ない
  • 検査中に会話ができる
  • 30〜60分で日常生活に戻れる鎮痙剤、鎮静剤を使用しない
  • 仰臥位、座位のままでも検査が可能
  • 義歯の取り外しが不要
  • 細径のため狭窄部位の通過が可能

経鼻内視鏡検査のながれ

1.検査の前日までに
  • アスピリン、ワーファリンなど止血に影響を及ぼす薬剤は検査前に中止していただく場合があります(担当医より具体的に説明します)。
  • 前日の食事は午後9時までに済ませてください。それ以後検査が終わるまで食事はできません。
  • 水分については飲んでもらってかまいません。前日の飲酒は控えてください。
2.検査の当日
  • 絶食でお越しください。水分の摂取はかまいませんが色のついた飲み物(牛乳、コーヒーなど)は避けてください。
  • 糖尿病の薬、インスリンは絶食検査ですので検査前は休止してください。
  • その他の薬剤については、担当医からの特別な指示がない限り服用してもらってかまいません。不明な点は、担当医や看護師におたずねください。
  • 当日はゆったりとした胃をしめつけないような服装でお越しください。
3.検査のながれ

検査を安全に行うために次のことをお聞きします。

  • 治療で抗凝固剤、抗血小板薬(アスピリン、ワーファリンなど)を内服されている方
  • 鼻の病気のある方
  • 鼻の通りの程度について(どちらの鼻が通りがよいかなど)
  • 内視鏡検査で極度に気分の悪くなったことのある方
  • 薬物(特に麻酔薬キシロカイン)に対する過敏症のある方

当院ではスティック2本法で前処置を行います。鎮痙剤、鎮静剤は原則として使用しません。

  1. ガスコンシロップ、プロナーゼ、重曹を150mlの水に溶かしたものをのみます
  2. プリビナ点鼻液を両側の鼻に噴霧します
  3. 両側の鼻腔にキシロカインビスカス(0.5〜1.0ml)を注入します
  4. 挿入しやすい鼻にキシロカインビスカスとキシロカインスプレーを塗布した14フレンチのスティックを挿入し1分間留置します。さらに同じく処置をした16フレンチのスティックを挿入し1分間留置します。 以上で検査前の前処置は終了です。
  5. 検査台で左側横向きになります。麻酔をした鼻から胃カメラを挿入します。検査中は、鼻や喉に異物感が多少ありますが会話することも可能です。検査は通常5分で終わります。

病気によっては組織検査(生検)をおこなう場合があります。生検結果は1週間程度かかります。またピロリ菌の有無を生検で調べる場合があります。

鼻からの挿入が困難な場合がまれにあります。その際は経口からの挿入をおこないます。

4.検査が終わったら

終了後は次のことを注意してください。

  • 喉の麻酔が効いているので検査後30~60分は食べたり飲んだりしないでください。口をゆすいだり、うがいをするのは構いません。
  • 検査の当日はアルコールなどの刺激物の摂取は控えてください。
  • 検査後に鼻やのどの違和感は多少残りますが自然になくなっていきます。
  • 検査後に鼻血が出る場合がありますが通常は短時間で自然止血します。出血が多い場合は処置を行います。

経鼻内視鏡の挿入ルート

経鼻内視鏡の挿入ルートは中鼻甲介下端ルート、下鼻甲介下端ルート(それぞれ左右)の4つのルートがあります。原則として左側から、中鼻甲介ルートからの挿入が一般的ですが、最も挿入しやすいルートを選択します。

当院での経鼻挿入の成功率は99.5%です(2016年)。経鼻挿入が困難な方は経口からの検査を行います。

経鼻内視鏡を使用した内視鏡処置

経鼻内視鏡検査はイレウス管の挿入、胃ろう造設などの内視鏡を使った処置にも有用です。

PEG(経皮内視鏡的胃瘻造設術) 東大阪生協病院でのPEG

PEGとは

脳血管障害や神経難病などにより経口からの栄養摂取が困難になった場合の経腸栄養のアクセスを確保する手段として行われます。またがんなどでイレウスを起こした倍の減圧目的で実施する場合もあります。

経腸栄養療法の利点

経腸栄養は、静脈栄養法と比較して

  1. 生理的である(消化管の機能を維持し免疫能を高める)
  2. 管理が比較的容易(在宅や施設での管理を容易にする)
  3. コストがより安価

などの特徴があります。
栄養管理法の選択として消化管の使用が可能であれば消化管を利用することが基本になります。

PEGの適応(医学面、倫理面)

PEGを実施するにあたっては、医学的な適応(生命予後の推定など)の他、患者本人ないし代理人への説明と同意(倫理的な適応の検討)が必要です。

東大阪生協病院でのPEG

東大阪生協病院では1996年からPEGを行ってきました。2007年から経鼻内視鏡を使用しセルジンガーペグキットで24フレンチのバンパー型胃瘻ボタンを一期的に胃に留置する方法で実施しています。
この方法は、腹壁からのアプローチであり術後の創部感染のリスクがきわめて少ない、バンパー型ボタンなので長期間の留置が可能、広径チューブを使用するために半固形化注入も容易などの特徴があります。
経鼻内視鏡を使用するために、バイタルへの影響は少なく開口障害があっても可能、仰臥位でも安全に検査が可能であることなどがあげられます。
合併症としては術直後の創部からの出血が起こりえることがあります。

抗生物質は術中のみの使用としています。PEG翌日から水等の注入を開始します。
PEG後、二日目に胃瘻造影を実施し胃食道逆流の有無を検査します。同時に胃壁固定糸を抜去します。
PEG後、三日目から栄養剤注入を開始します(原則的に半固形化注入を行う)。PEG後、1週間で輸液は終了します。

胃瘻における半固形化栄養剤注入の有用性

PEGにおける栄養投与方法は液体栄養法と半固形化栄養法に分けることができます(”形状を変化させた栄養剤”を総じて「半固形化栄養」とする)。
胃瘻栄養で一般的に使用される液体栄養法は問題点として、胃食道逆流(嘔吐や嚥下性肺炎の原因となる)、栄養剤リーク、下痢などがあげることができます。

半固形化栄養法は、これらの問題点を解消する方法であり以下のようなメリットがあります

  1. 胃食道逆流が減少
    嚥下性呼吸器感染症の減少PEG後のGERD発症の防止
  2. 瘻孔からの栄養剤のもれの減少
  3. 下痢の防止
  4. 注入時間の短縮
    患者・介護者の負担の軽減リハビリなどの時間の確保
  5. 座位保持、体位変換が不要
    患者・介護者の負担の軽減褥創悪化の予防
  6. 血糖コントロールの安定化
    注入後の血糖の急上昇を防ぐ

東大阪生協病院は2004年から寒天を使用した半固形化栄養剤注入を開始(2006年9月第11回HEQ研究会で発表、在宅医療と内視鏡治療 15:106-109,2011に掲載)、2008年から増粘剤を使用した半固形化栄養剤注入を行ってきました(2010年9月第15回PEG・在宅医療研究会で発表、在宅医療と内視鏡治療 11:86-91,2011に掲載)。

東大阪生協病院では、増粘剤を使用した半固形化注入、ラコールなどの市販された半固形化栄養剤を使用して半固形化注入を主体に栄養投与を積極的に行っています。

NST 食べるためのPEG

東大阪生協病院は日本静脈経腸栄養学会(https://www.jspen.jp/top.html)、日本栄養療法推進協議会(http://www.jcnt.jp)のNST認定施設です。
栄養管理はすべての治療法の基本です。医師、薬剤師、看護師、栄養士、言語聴覚士、検査技師などの多職種により、病院のなかの患者さんのための栄養療法をどうするのかについて検討・討議し実践しています。
とくにわたしたちは「食べるためのPEG」をめざしています。

PEGによって経口摂取が可能になる理由として、

  1. 経鼻栄養が中止になることによるメリット(抑制が不要になる、口腔ケアが可能になる、摂食・嚥下リハビリが容易になる)
  2. PEGにより確実に栄養、水分、薬剤の投与が可能になること があげられます。さらに、
  3. 半固形化注入を選択することで、注入時間が短縮され必要なリハビリ時間の確保が可能になります。

在宅療養の胃瘻栄養で考えておくべきこと

PEG後に考えておくべきことは以下の7点です。

  1. 注入方法が簡便であること患者・介護者にとって負担の少ない方法、合併症の少ない方法を選択する
  2. 経済的な負担軽減を考慮する(栄養剤として医薬品を選択することなど)
  3. 必要なカロリー量、1日水分量などの設定
  4. 介護者が胃瘻管理、栄養管理を習熟するまで指導(トラブル初期対応を含めて)
  5. ショートステイなど利用している介護サービス側への連絡、指導
  6. かかりつけ医、訪問看護師への胃瘻管理、栄養管理の指導、トラブル対処法の指導(胃瘻患者を受け入れる体制の援助)
  7. 自院においても緊急時に24時間体制でトラブルに対処する体制をつくる

PEG・在宅医療研究会(http://www.heq.jp

東大阪生協病院はPEG・在宅医療研究会の専門胃瘻造設施設、専門胃瘻管理施設です。
個人資格としても専門胃瘻造設者(藤田昌明)、専門胃瘻管理者(藤田昌明、上坂利絵子)を取得しています。

診療科目・各部門のご紹介

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